【美容室税務】美容師が就業中に着る洋服は必要経費になるのか?
原則、美容師が就業中に着る洋服を必要経費にするのは難しいと考えます。
理由は、2点です。 ①プライベートでも着用できること(支出の効果がプライベートにも及ぶこと) ②洋服には「個人の趣味」が反映される部分が大きいこと
一般的な勤務美容師の方の洋服代を経費にするのは難しいです。 たとえば、お店のロゴが入った洋服をいわば「制服」として着るのであれば、経費に認められます。
一方、不特定多数の人の目にさらされることが多いような場合、 その洋服(衣装)代は必要経費として認められる部分があると考えられます。
たとえば、インスタグラムでその洋服を着て発信したりして、SNSで集客をしているような場合です。 自らが広告塔になり、自店および自らをセルフプロデュースしているわけですから、経費には一切ならないというのは、言い過ぎでしょう。
ただし、この場合であっても、全額は必要経費になりません、それはプライベートでも着用できるからです。 また、高額すぎる洋服だと、「なぜそこまで高額である必要があるのか」の説明を求められる可能性があります。 洋服代は、常識の範囲内であることが求められます。
あくまで、必要と認められる部分を家事按分し、経費に計上します。
では、どれくらい家事按分するとよいのかは、顧問税理士にご相談ください。
似たような論点と比較してみると、衣装代が経費になるのかならないのかがわかるかもしれません。
個人事業主が着用する「ビジネススーツ」は必要経費になるのか?
原則、ビジネススーツを必要経費とするのも難しいです。
①プライベートでも着用できることと、 ②洋服には「個人の趣味」が反映される部分が大きいから です。
たとえば、3万円のスーツで十分という人もいれば、20万円のスーツでなくてはだめという人もいます。 その差額分は「個人の趣味」の支出として認定されてしまいます。
パーティ出席のためだけに買った「ドレス」なら経費になるのか?
仕事の都合で出席の必要があるパーティーに参加するために買ったドレスであれば、経費として認められやすいでしょう。
パーティドレスをプライベートでも着る人はめったにいません。 パーティドレスの場合は、パーティーに参加するための「制服」のようなものという見方ができます。
ただし、高額なドレスでは、「個人の趣味」が反映され過ぎるため、常識の範囲内であることが求められます。
パーティ出席のためだけに買った「バッグ」や「靴」も経費になるのか?
バッグや靴は、必要経費としにくいものです。
理由はもうおわかりですね。
まとめ
一般的に、洋服/衣装はプライベートでも着用でき、個人の趣味が反映されるため、経費として計上することは難しいです。しかし、その服が制服であったり、人前で着用したりSNSで宣伝したりしている場合は、費用の一部が必要経費となる場合があります。
詳しくは、顧問税理士と相談しましょう。