美容室経営: 多店舗展開戦略 利益重視、スタッフの確保、そして1店舗目と同規模の2店舗目
美容室の開業と経営に関する対話形式の記事。 一店舗目の開業から二店舗目の展開までの具体的なステップと、成功のための重要なポイントについて深く掘り下げています。 利益最優先の重要性、店長候補の確保、そして2店舗目のサイズ設定について具体的なアドバイスを提供。 さらに、スタイリストの「卒業」制度を導入することでサロンチェーン全体の成長を促す新たな考え方も紹介。 ビジネスモデル、人材育成、拡大戦略の視点から美容室経営の成功に必要な要素を網羅的に解説しています。
開業準備のポイント
中村くん、今度の美容室開業に向けての準備はどう進んでいる?
まだ準備段階ですが、実は目標が大きくて、自分のサロングループを全国展開することを考えています。 でも、聞いた話だと美容業界では3店舗以上の出店が困難だということを知りました。 どうすれば良いかな、と思っています。
そうだね。だけど、そんなに心配することはないですよ。 開業から3年以内に2店舗目を出すためには、1店舗目の開業時に考慮すべきポイントがあります。
それは具体的には何を指しますか?
1_利益最優先の重要性
まず一つ目は、利益を最優先し、節税は後回しにすること。 利益を出し、資金を貯めることが重要です。 当たり前ですが、節税対策を行えば税金は減りますが、その分手元資金も減ります。 開業1年目と2年目の利益が2店舗目の融資のポイントになります。
なるほど、利益をしっかり出してから節税対策を考えるんですね。 それは気をつけます。 他には何が必要ですか?
2_次店舗の店長候補確保
二つ目は、2店舗目の展開を目指す場合、次の店長になり得るスタッフを1店舗目で確保すること。 具体的な目標と強い想いを周囲に伝え続けることが重要です。
そうね、中村くん。 私の経験からも言えることだけど、店長候補のスタッフがいると本当に心強いわ。 それに一緒に成長してくれるスタッフがいると、店舗の経営も安定するのよ。
3_2店舗目のサイズ設定
そして、最後に、2店舗目の大きさは1店舗目と同じにすることです。 1店舗目での成功体験から、2店舗目を大きくしようと考える人もいるけど、これは非常にリスキーです。 1店舗目からどのようなコンセプトでどのような戦略で出店していくかを考えてなければなりません。 したがって、結果的に2店舗目は1店舗目と同程度のサイズになるはずです。
確かに、1店舗目がうまくいっても2店舗目はまた別の課題が出てくるかもしれませんね。 それぞれの店舗のバランスを保つことも大切なのかもしれません。
そうですね。 結局、開業準備段階から将来を見越す行動が重要です。 そして、「1店舗目がうまくいったら2店舗目を出す」という人と、「3年以内に2店舗目を出す」ことを最初から考えて行動する人とでは、結果が全く異なります。 本気で次の出店を考えているなら、1店舗目の開業準備から将来を見越した行動が必要です。
提案:「卒業」制度の導入
店舗候補となるスタイリストを採用するのは大変だと思います。 そこで私からの提案があります。 美容室経営の特徴は「労働集約性」と「人材の流動性」だと思います。 つまり、スタイリストの採用とリテインが重要な経営課題で、アシスタントの採用と研修には時間とリソースが必要ですよね。 そこで、「卒業」制度を取り入れてはどうですか。
卒業制度?それは何ですか?
美容室に勤務しているスタイリストが一定の成績を収めたら、そのスタイリストに自分のサロンを開店する機会を提供するんだ。 もちろん、それは本人が望む場合のみだけどね。 事業譲渡の形もあれば、株式売却の形もあり得ます。 買い取る側にもキャッシュが必要なので、セット面が大きすぎたり、お店の利益が出すぎていると、買い取る側にとってはハードルが高くなります。 良いタイミングで卒業してもらうことで、スタイリストの夢を叶えることができますし、サロンチェーン全体としての成長にも繋がります。
それは面白そうですね。 でも、それだとスタイリストが自分の店を持つことになりますよね? それは私の目標とは少し違うような気がします。
その考えも分かるよ。 だけど、その新店舗は元々のサロンと同じブランドで運営され、元々のサロンがサポートする形になる。 だから、スタイリストが卒業して新店舗を開くという形でも、サロンチェーン全体としての成長に繋がります。
~続く~