美容室税務: 会議費・接待交際費
美容室経営者や創業を目指すスタイリストに向けた税制情報を詳しく解説します。 必要経費に関する税法を理解し、正確な経理を行うための重要な知識を得ることができます。
仕事で使ったコーヒー代は経費になる?
小松さん、前に説明していただいたんですけど、 個人事業主の食事代は基本的に経費にはならないんですよね?
はい、その通りです。 基本的には個人の飲食費は経費とは認められません。 「家事費」です。
たとえば、ある日A社でプレゼンを終えてからB社での打ち合わせまでの間に、 近くのカフェでコーヒーを飲みながら資料を見直す時間があった場合はどうなんですか? そのコーヒー代は経費にできますか?
その場合、コーヒー代は経費に計上できます。 なぜなら、その喫茶店を仕事スペースとして利用したからです。 コーヒーを注文したこと自体が業務に直結しているからですね。 雨風や強い日差しにさらされたまま外でうろうろするよりは、カフェに入って仕事できますからね。
そうなんですね、その時にランチも一緒に頼んだらどうなるんですか?
ランチ代については基本的に経費としては認められません。 なぜなら、ランチは個人的な飲食と見なされるからです。 ですが、この辺りは事例によって微妙な部分もありますので、わからなければ、個別に相談してください。 喫茶店で仕事をした際は、その証拠となる何らかの記録を残すことを強く推奨します。 例えば、領収書に何の仕事をしたかというメモをGoogleカレンダーなどに残しtえおくと良いでしょう。
手みやげ代は経費になる?
今週、いつもお世話になっている取引先を訪問することになったんです。 そこでお茶菓子を手土産として持っていく予定なんですが、これを経費に計上しても大丈夫なんですか?
小松さん、それは大丈夫なんですかね?
はい、それは問題ありませんよ。 取引先への手土産は「交際費」として経費計上できます。 ビジネスの世界では、お互いの関係を良好に保つための費用と認識されていますからね。
そうなんですね! でも、高額な品を贈ったらどうなんでしょう?
それはちょっと注意が必要ですね。 取引の実態に見合わない高額なプレゼントは、税務上問題となる可能性があります。 経費として計上できる「交際費」は、事業を通じた見返りを期待している支出とも言えますので、常識的に考えて慎むべきです。
中村くん、それともうひとつ、打ち合わせ中に飲んだり食べたりするものについてはどう思いますか?
ああ、それは「会議費」ってことでいいんですか?
正解です、中村さん。 打ち合わせでのお菓子や飲み物は「会議費」、 従業員が休憩中に食べるためのものは「福利厚生費」になります。 つまり、お菓子類が経費になるケースは主に3つあるというわけですね。
交際費は?
山本さん、小松さん、ちょっと疑問が出てきたんですけど、仕事で知り合った人から音楽ライブに誘われました。 そのチケット代って経費になるんですか?
それは状況によります。 その人が現在取引がある人だけでなく、これから取引先になる可能性がある人、得意先を紹介してくれそうな人、あるいは仕事上の事情で止むなくつき合わざるを得ない人なら、「交際費」として経費処理できます。
それって、例えば私が取引先の人が趣味で開催した個人のライブに花束を届けたといった場合も同じなんですか?
その場合も同じです。 ただし、交際費にするためには、その支出が事業で利益を得るために必要な支出だったかどうかが問われるから注意が必要です。
それなら、取引先に紹介された趣味仲間の結婚式に出席した場合はどうですか?
それも業務と関連した人の結婚式に要した支出であれば、「交際費」にできます。 ただし、領収書が発行されない場合は出金伝票などに記載して記録を残しておかなくてはなりません。 そして、相手と仕事のかかわりがなく純粋に趣味だけのつながりであるならば、経費では落とせないから注意が必要です。
なるほど、交際費には結構細かいルールがあるんですね。
そうですね。 例えば、取引先の子供へのお年玉は経費に認められないのが通例です。 また、「交際費」として使える金額には法人の場合は年間800万円まで、あるいは接待飲食費の50%のいずれか多いほうといった限度額が設けられています。 個人事業主の場合は「交際費」の限度額が定められていないけど、なんでもかんでも好きなだけ経費で落としてよいわけではありません。
取引先との関係性を維持するための交際費というのは重要な費用ですね。 やっぱりどこまでが経費になるか、というのは難しい問題ですね。 税務署がどう判断するかもあるから、ちょっと不確定感がありますね。
その通り、確かにどこまでが経費になるかは難しい問題です。
税理士さんに相談するのが一番ですよ。 最終的には税務署の判断になるから、不明確な場合、判断できない場合は適切な専門家のアドバイスを求めるべきです。
なるほど、自分で判断するだけでなく、専門家の意見も求めるのが大切なんですね。
そうですね。 その上で、必要に応じて適切に記録をつけ、領収書やメモなどの証拠を残しておくことも重要です。 経費の使途や相手、その他の詳細を明確に記述することで、後で問題が起きたときに備えることができます。 未来の自分に対するメッセージと思って、ちゃんと記録をつける習慣を持ちましょう。
~続く~