(開業後に)施術単価を上げるのは至難のワザ
よくある「美容室経営の売上を上げるポイント」に、
- 施術単価を上げる(アップセル)
- 物品販売に注力する(クロスセル)
というのをよくみかけます。
今回は、美容室経営における「施術単価を上げる(アップセル)」について、私の考えを記載します。
ターゲットにする「顧客層」で客単価が決まる
美容室経営において、客単価はターゲットにする「顧客層」で決まります。
男性メインであれば、カットがメインとなり、ヘッドスパ等を組み合わせてかろうじて8,000円程度の平均客単価になるでしょう。
女性メインであれば、カットに加えて、カラーをされていく方も増えてきます。
さらに、個性を打ち出したい女性(芸能関係やダンサーやモデルなど)をターゲットにすれば、 カット+カラーに加えて、ブリーチ(ブリーチ2回も含む)が施術メニューに入りやすくなるでしょう。
参考:個性を打ち出したい女性をターゲットにするために、「スタイルブック」を活用する
ターゲットにする「顧客層」で同時施術人数が決まる
1日の予約受付枠を10時から18時にした場合、8時間受け付けられます(昼食は空いた時間などに)。
「カット+ブリーチ+カラー」や「カット+カラー+トリートメント」といったメニューの標準施術時間はおおむね3時間とすると、1日でセット面1あたり約3人を施術できることになります。
また、カラーやブリーチは、薬剤に働いてもらう時間があります。
したがって、ターゲット顧客層を女性にすると、同時施術人数を2以上にもしやすくなります。これは美容室経営する上で、重要なポイントです。
開業前にどんな「顧客層」をターゲットにしたかで顧客単価はほぼ決まる
このように、客単価(顧客層)は開業後にどうにかできるものではなく、開業前におけるサロンのコンセプトを作る段階・創業(事業)計画を作る段階から綿密に決めておかなければなりません。
参考:創業(事業)計画書の作り方&書き方 - 第Ⅱ章 商品・サービス編
参考:創業(事業)計画書の作り方&書き方 - 第Ⅲ章 事業戦略編
例えば、「シャンプー、カット、カラー、パーマそれぞれのメニュー料金を20%ずつ上乗せして客単価をあげる」わけにはいきません。
そんなことをしたら、お客様は他店にいくでしょう。
まとめにかえて
開業後に戦略を変更するコストはかなりのものです。
準備段階からほとんどの勝負事の決着がついているのと同様に、 美容室独立開業も開業前のコンセプト策定と顧客層の選定で経営が軌道に乗るのか否かがほぼ決まります。
では、どうすれば成功させられるか。以下を参考にしてみてください。
参考:美容室の開業初期において、ほぼ確実に経営を軌道に乗せられるポイントを3つ