作成日: 2023-4-17 更新日: 2023-8-24
カテゴリ- : ⅲ (美容室)経営支援
【経営成功への道】美容室経営者に贈る、シミュレーションで見える驚きの数字!

美容室経営者必見!シミュレーションで見える成功の鍵

 

1. はじめに

美容室の経営を数字できちんと語った記事がありませんでしたので、シミュレーションしてみました。

美容室経営者にとって、効果的な集客戦略とリピート率の向上が重要であることを示すシミュレーション結果と、SNS活用方法について解説します。

 

なお、シミュレーションは以下から誰でも利用できます。

https://www.eurekapu.com/tax/salon-simulation/

 

この記事での主要な問い

  • オーガニック顧客獲得率を3%から13%に10%改善すると、年間の利益にどれくらい差が生まれるのか?
  • 新規リピート率が40%と60%のスタイリストでは、年間の利益にどれくらい差が生まれるのか?
  • 新規リピート率を60%、オーガニック顧客獲得率を13%としたら、年間の利益にどれくらい差が生まれるのか?
 

2. シミュレーションの前提

シミュレーションでは以下の事項を考慮しています。

  • 店舗のパラメータ
  • スタイリストのパラメータ
  • 新規集客のパラメータ
  • 顧客層のパラメータ

また、売上を分解すれば、このようになります。実際には細かく顧客オブジェクトを作りシミュレーションしていますが、ざっくりといえば、以下の図のような前提でシミュレーションモデルを作っています。

Notion image

2.1 店舗のパラメータ

店舗の規模や立地条件、営業時間等を設定します。

シミュレーション期間(日数)
360
月間営業日数
22
スタイリスト数(人)
1

2.2 スタイリストのパラメータ

スタイリストの技術レベルや施術時間などを設定します。

「スタイリストの時間単価」は、お店の各メニュー単価と各メニューの施術時間を散布図にプロットして算出しましょう。

平均稼働率(1=100%)
0.9
スタイリストの稼働時間(H)
8
スタイリストの時間単価(円):
5000
 

2.3 新規集客のパラメータ

広告費用やSNS投稿の効果、紹介による新規集客率などを設定します。

顧客獲得コスト(円/人)
5000
オーガニック顧客獲得率(1=100%)
0.03
 

2.4 顧客層のパラメータ

あなたの想定する顧客層毎にリピート率、平均施術時間などを設定します。

平均来店周期
30日間隔
60日間隔
90日間隔
120日間隔
新規の次回来店率
0.4
0.4
0.4
0.4
再来の次回来店率
0.8
0.8
0.8
0.8
固定の次回来店率
0.9
0.9
0.9
0.9
施術時間(h)
1
1
2
3
発生確率
0.3
0.3
0.3
0.1
 

上記のパラメータを前提にシミュレーションすれば、お店の売上高と広告宣伝費、その差引利益は以下のようになります。これを初期値とします。

単位:円
売上高
9,240,000
 客数(人)
 平均単価(円)
広告宣伝費
3,020,000
差引利益
6,220,000
Notion image
Notion image

3. シミュレーション結果とその意味

3.1 オーガニック顧客獲得率の改善効果

SNS投稿や口コミによるオーガニック集客が、全体的な集客数にどの程度影響するかを分析します。

 

オーガニック顧客獲得率を3%から13%に変えると、この差引利益がどれくらい期間全体で変わるのでしょうか?

 

変更した箇所は、オーガニック顧客獲得率のみです。

オーガニックな新規客を獲得できれば、広告宣伝費を投下する必要がないため、利益がその分改善します。おおむね、オーガニック顧客獲得率が10%改善すれば、年間約100万円も利益が改善します。

オーガニック顧客獲得率 3%
オーガニック顧客獲得率 13%
差引
売上高
9,240,000
9,240,000
0
広告宣伝費
3,020,000
2,060,000
▲ 960,000
差引利益
6,220,000
7,180,000
+ 960,000
Notion image
Notion image
毎月の広告宣伝費が不要になっています
毎月の広告宣伝費が不要になっています

3.2 新規リピート率の影響

新規顧客がリピーターになる確率が高まると、利益にどのような影響があるかを確認しましょう。

 

新規リピート率が40%と60%のスタイリストでは、1年間の利益にどれくらい差が生まれるのでしょうか?

 

変更した箇所は、「新規の次回来店率」部分だけです。

リピート率が20%違えば、年間約90万円利益が改善することがわかります。

このシミュレーションでは、スタイリストの稼働を変数の値に近づけるため、仮にリピート率が低ければ、その分だけ広告宣伝費を支払って新規客を集客する前提になっています。

つまり、新規リピート率が60%のスタイリストの方は、1年間で約90万円も貢献度が高い(お店が広告宣伝費を投下しなくてよい)ということです。

 
新規の次回来店率 40%
新規の次回来店率 60%
差引
売上高
9,240,000
9,240,000
-
広告宣伝費
3,020,000
2,110,000
▲ 910,000
差引利益
6,220,000
7,130,000
+ 910,000
Notion image
Notion image
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3.3 総合的な利益改善効果

上記2つのシミュレーションを組み合わせます。

 

新規リピート率を60%、オーガニック顧客獲得率を13%としたら、年間の利益にどれくらい差が生まれるのか?

 

新規リピート率を60%、オーガニック顧客獲得率を13%としたら、年間約160万円利益が改善することがわかります。

これに加えて、広告宣伝費が5か月目以降、不要になっていることに注目してください。十分なリピート率を確保していれば、口コミによる流入も期待できます。それによって、オーガニックな新規来店客、リピートのお客様だけで構成されるため、広告宣伝にお金をかける必要がなくなっていることがわかります。

オーガニック顧客獲得率:3% 新規の次回来店率:40%
オーガニック顧客獲得率:13% 新規の次回来店率:60%
差引
売上高
9,240,000
9,240,000
-
広告宣伝費
3,020,000
1,450,000
▲ 1,570,000
差引利益
6,220,000
7,790,000
+ 1,570,000

オーガニックな新規来店客が月当たり20~30人いれば、スタイリストの方の予約が満杯であることがわかります。

Notion image
Notion image
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ここまでオーガニックに集客ができれば、予約が取れないお客様が毎月のように積みあがっていきます。おおむね1年程度でスタッフを雇用して、2席同時に施術したりするタイミングであることがわかります。

 
Notion image

言い換えれば、SNSでの露出が高く、フォロワーも多いスタイリストの方は、特にロイヤルティの高いお客様にとってみれば以前に比べて予約が取りにくくなります。「優先予約受付」機能などがあるWeb予約システムを導入しなければ、新規客が土日の予約表を早々に埋めてしまい、せっかく信頼関係を気づいたロイヤルティの高いお客様が徐々に離反することにもつながります。もちろん、次回来店予約を来店時に聞いておくという手もあります。Lineなどで個別に管理している現状も見聞きしていますが、そういう業務こそシステムにお任せしたらよいではないですか?

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4. SNS活用による集客戦略

4.1 SNS活用の重要性:インスタグラムなどのSNSを活用した集客は美容室では必須

このように、お金をかけないで集客ができるインスタグラムなどのSNS活用は美容室では必須の取り組みといえます必須の取り組みである理由は以下3つです。

  1. 高いターゲティング性: SNSでの投稿は狙った顧客層を選定して投稿できるため、ターゲット層を効果的に集客できます。経営はつまるところ「顧客層」がすべてです。顧客層は狙って開拓しましょう。 一般に、テレビCMが特定のターゲット層に合わせた番組を制作し放送するのと同じです。
  1. ビジュアルコンテンツの活用: インスタグラムなどのビジュアル重視のSNSでは、美容室の施術例やスタイリストの技術を魅力的に紹介できます。 他の業種に比べても、美容室は動画コンテンツを作りやすいです。 Before/After系のコンテンツも作りやすいです。 施術写真・動画を撮影しSNSに積極的に投稿しないのは、まるでアーティストが素晴らしい絵を描いてもギャラリーに展示しないようなものです。もったいなさすぎます。
  1. リアルタイムな情報発信: SNSを使えば、新メニューやキャンペーン情報をリアルタイムで発信でき、お客様とのコミュニケーションが円滑になります。
    1. 新しい季節が始まる際、美容室がその季節に合ったヘアスタイルやメイクの提案をSNSで発信することで、お客様のスタイル変更のきっかけを作ります。
    2. 人気の芸能人が新しいヘアスタイルに変更した際、美容室がそのスタイルの再現方法やポイントをSNSで紹介することで、ファンにとって魅力的な情報源となります。
    3. 美容室がお客様のビフォーアフターの写真をリアルタイムでSNSに投稿することで、実際の施術効果・実力を証明でき、新規顧客を獲得できます。

お客様との信頼関係を築き、動画を撮影し、SNSに投稿させてもらいましょう。

 

4.2 インスタグラムアカウントをどのように運用するか

美容室経営者にとって、このインスタグラムアカウントをどのように運用するか頭を悩ませると思います。以下の3つのパターンがあり得ます。

① 完全に個人のアカウントをスタイリストのアカウントとして運用させる ② 「お店のブランド名_スタイリスト名」などとし、半個人アカウントとして運用させる ③ 完全にお店のアカウントとして運用させる

 

① 完全に個人のアカウントをスタイリストのアカウントとして運用させる

「SHIMA」だと、1つ目を採用しているようにみえます。

どうやら独立時にアカウントを引き継げることもあるようですが、「SHIMA」の対応は人によるとのことですので、オーナーとの信頼関係等々が影響しそうです。

 

② 「お店のブランド名_スタイリスト名」などとし、半個人アカウントとして運用させる

「③ 完全にお店のアカウントとして運用させる」では、なかなかスタイリストの方に継続的に投稿して頂くインセンティブを付与しにくいと思います。

この点、折衷案となる2つ目の案を採用するのが現実的ではないでしょうか。

たとえば、「Album」なんかはこうしていますね。 instagram.com/album_xxxxx

お店にとっても、Albumという名称が広く潜在顧客に知れ渡ります。スタイリストの方の知名度もアカウントが成長するにつれて高まります。

スタイリストの方が退職しようとしても、退職後にフォロワーを引き継げないため、退職の抑止力にもなります。

個人のスタイリストの方には、「store-name_スタイリスト名」でインスタアカウントを運用してもらい、オーナーや店長や専属のアカウント運用者がお店のアカウントを運用するのが良いでしょう。お店のアカウントでは、各スタイリストの方を紹介します。

5. まとめ

オーガニック顧客獲得率と新規リピート率の改善が美容室経営において重要な要素であることをシミュレーション結果から確認しました。

特に、インスタグラムなどのSNS活用が集客において大きな効果を発揮し、美容室経営者にとって必須の取り組みとなっています。

最適なインスタグラムアカウントの運用方法を見つけることで、美容室経営をさらに成功へと導くことができるでしょう。

 

このように、私共は、雰囲気や根性や気合などで美容室経営の改善をアドバイスしたりなどしません。数字でしっかりとファクトを押さえ、再現性ある形で、ITを利活用した経営を支援させて頂きます。お問い合わせはお気軽にどうぞ。

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