創業(事業)計画書の作り方&書き方 - 第Ⅱ章 商品・サービス編
顧客の悩みはなんですか?
生きていれば髪は伸び続けるし、日本にある信号機の数よりも美容室の数の方が多いことから、顧客の悩みがなかった(*)ということはないとは思います。
* スタートアップが失敗した理由として、"NO MARKET NEED"「市場ニーズがなかった」と回答した企業は35%もあったそうです。
出典: CB Insights(https://www.cbinsights.com)/The Top 12 Reasons Startups Fail August 3, 2021付け記事より
とはいえ、そもそもあなたが提供する商品やサービスがお客様のどんな悩みを解決するのかを具体的に考え、お客様に訴求・伝達しなければ、無数にある美容室の中に埋もれてしまい、お客様から見つけてもらうことはないでしょう。
したがってまず、
- 顧客の悩み(課題)が何かと、
- 補足情報として、(現在あなたのサービスがない)顧客はその悩みをどのように解決しているのか
まで説明できるとよいです。
スライドイメージ:顧客の課題
顧客の課題について3つ程度に分類しまとめのページを用意します。
さらに、その課題毎に課題(お悩み)が発生する原因やメカニズムなどを説明します。

参考:公庫の問い(創業の手引きより抜粋)
顧客の課題が特定できたら、次にあなたの美容室がそれらの悩みを解決できることを説明します。
美容室が提供する解決策(ソリューション)はなんですか?
美容室のコンセプト
お客様が抱える悩みに対するあなたの個々の打ち手は次以降に説明するとして、 その前により上位の概念である美容室のコンセプトが何かを説明しましょう。
美容室のコンセプトによって、内装等やWebサイトなどの配色、 クリエイティブに統一感が生まれます。 美容室のコンセプトは、自分の言葉で発見し、整理整頓しておきましょう。
商品・サービスのコンセプトがなければ、お客様に繰り返し利用して頂くような美容室になることはないでしょう。それはちょうど、イチゴのないショートケーキのようなものだからです。ただクリームを塗りたくったスポンジケーキをお客様に提供するケーキ屋さんになってはいけません。
お客様は施術の技術だけで美容室に通い続けるわけではありません。 美容室のコンセプトに一貫性を持たせましょう。
スライドイメージ:商品やサービス



美容室のソリューション
次に、顧客の悩みを解決するソリューション、つまり、あなたの美容室が提供する商品・サービスを説明します。
スライドイメージ:商品やサービス
お客様のお悩みを3つに分類したので、あなたのソリューション(課題に対する打ち手)もそれぞれ3つに分けてもよいでしょう。

参考:公庫の問い(創業の手引きより抜粋)
- お店のコンセプトと提供サービスが一致していますか?
- 提供メニュー表(ドラフト)をみせてください。
なぜ、あなたがサービスを提供できるのですか?
あなたの提供する商品・サービスが他の美容室のそれと比較して何が優れているのか、 他店ではなく、あなたのお店を選んでもらえる理由を(できれば競合比較しながら)説明します。
このときにどのような軸(切り口)で比較をするのかは、ご自身のセンス(経験・直観など)が問われます。 2つの軸で分類すると、大きく4つのタイプに分けられます。

参考:公庫の問い(創業の手引きより抜粋)
- 技術面、接客面のセールスポイント(自社の強み)は何ですか?
- 技術面、接客面以外で、セールスポイント(自社の強み)になるものは何ですか?
- 他店ではなく、あなたのお店を選んでもらえる理由を説明できますか?
競合分析
出店予定エリア(商圏)の競合は、どのような特徴があるか(どのタイプに該当するか)を調査します。 調査結果から、上図で整理した美容室のタイプが近隣になかったり、 あるいはあっても、あなたの美容室が勝っているだろうポイントを説明します。
※このあたりの軸(切り口)を設定する工程は、なかなか難しいかもしれません。 私共にご依頼頂ければ、サポートさせていただきます。

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